彼らの原発

福井県・大飯郡おおい町。人口8700人の小さな町の人々は、この地に建設された原発と折り合いをつけ暮らしてきた。しかし、福島第一原発事故が起き、町の暮らしは揺れ始める。2012年に再稼働が伝えられると、町にはマスコミが押し寄せ、誹謗中傷の電話が相次いだ。2014年、原子力規制委員会の新基準のもと、再び再稼働の一番手として名の挙がった大飯原発。監督は渦中におかれた町を訪ね、そこで暮らす人々との対話を試みる。成人式に帰省した若者や、原発作業員の宿泊で生計を立てる旅館の主人、市町村合併で地域対立のわだかまりが残るなか、行われた町長選挙…地に足をつけて暮らす人々の率直な言葉から、原発が内包する大きな“地域”の問題に迫る。